Yahoo!知恵袋に、こんなお悩みが投稿されていました。
同僚と退職時期が被りそうで、転職活動に踏み込めずにいます。
元々人の少ない職場なので、同時に2人いなくなるのはかなり職場への負担がかかってしまい、このまま転職活動を開始して良いものか悩んでいます。
転職活動前なので退職時期をずらすことも可能ですが、ずらしたところで結局人が減るのは変わりないですし、そもそも転職して良いものなのか…。
これ、じつは私にとって、タイムリーな話です。
というのも、私の勤務先でも最近、同じ部署の人が退職しまして。その人が担当していた仕事を、丸ごと私が引き継ぐことになりました。
時短勤務の方だったとは言え、その人が担当していた仕事が、まるっと積み上がる。
正直に言うと、かなり大変です…(汗)
もちろん、引き継ぎ資料はしっかり作っていただきましたし、業務の詳しい説明など、最後までできる限りのことはしてくれたと思います。
ただ、マニュアルを読めば対応できる仕事だけ、というわけにもいかず。
それを丸ごと後任が受け取るのは、なかなか骨が折れるんです。
なので、残される側の気持ちは、私は痛いほど分かります。
きれいごと抜きで言えば、「このタイミングで辞められるのは困る」と思いましたよ。もっと正直に言えば、その退職した人のことを、少しも恨んでいないと言えばウソになります。
こちらの仕事量は増える。新しいことに取り組む余裕も減る。メンタルもすり減る。
それが現実です。
それでも、残る同僚に遠慮して転職活動を控える必要はない
ただ、私の個人的な感情をいったんワキに置いて考えると。
同僚と退職時期が重なりそうだから、残された人たちに負担がかかりそうだからという理由で、転職活動を控える必要はないかと。
人が少ない職場ほど、誰かが辞めると必ず負担が発生します。ということは、人が少ない職場で働いている人は、ずっと転職してはいけないことになってしまう。
さすがに、それはおかしくないでしょうか?
残された社員の負担は、会社が引き受けるべき問題
ここで混同しないほうがいいのは、「残された人が大変になること」と「だから辞める人が悪い」という話は、別だということです。
たしかに、誰かが辞めれば残された人の負担は増えます。私自身、まさに今その状態にいるので、そこは痛いほど分かります。
でも、その負担をどう吸収するかを考える責任は、雇用主である会社にあります。
退職者が出たときに、業務をどう再配分するのか。人を採用するのか。優先順位を見直して、やらない仕事を決めるのか。
そういう判断をするのが、会社や管理職の仕事です。
それをせずに、残った社員の善意や責任感だけで穴埋めしようとするなら、それはその組織の問題なんですよね。
インターネット企業でも、こういうことはよくあります。
ひとりのプロジェクトマネージャーが複数案件を抱えていて、その人が抜けると一気に回らなくなる。特定のサービス企画担当者だけが仕様や過去の経緯を知っていて、退職したとたんにプロジェクトが破綻する。
でも、それは本来、「その人が辞めたこと」だけの問題ではありません。
バックアップとなる要員を育ててこなかったこと。業務量に対して人員が足りない状態を放置していたこと。
そこに、本質的な問題があるはずです。
もちろん、辞める側にも、最低限の誠実さとルール順守は必要だと思います。
契約で定められた期日までに退職する旨を伝える。引き継ぎ資料を作る。関係者に迷惑がかかりにくいよう、できる範囲で段取りを整える。退職するまでのあいだ、誠意をもって、投げやりにならずに仕事をする。
社会人として大切なことです。
ただ、それ以上に、「職場が困るから、自分の転職活動そのものを止める」必要まではないと思うのです。
雇用主の責任をひとりの従業員が負う必要はない
知恵袋で相談した方は、責任感が強い人なのだと思います。
同僚と退職時期が重なったら、残された人が大変になる。そこが想像できてしまうから、転職活動に踏み込めない。
その感覚自体は、いたってまともだし、誠実だと思います。
「自分の人生なんで関係ないっす」と冷酷に割り切れる人ばかりではありませんし、同じ職場の仲間に配慮できることは、人としては良いことだと思います。
ただ、その優しさで、ひとりの従業員が自分の人生を犠牲にするのは、何かが変ではないでしょうか。
残される側は、たしかに大変です。私も今、身にしみてそう感じていますし。
でも、それでもやはり、退職する人が自分の人生のために選んだことを責めるのは違うと思います。
職場の負担は、会社が引き受けるべき問題です。
あなたはあなたで、自分のこれからの生き方を考えるべき。
その線引きを、少し冷静に持っておくくらいで、ちょうどよいのではないかと思います。