人間関係が良い職場でも、業務内容に違和感を感じるなら転職を考えたほうがよいかも

Yahoo!しごとカタログに、こんなお悩みが投稿されていました。

人間関係がいい職場だけど、業務が自分に合わないから退職するのはどう思いますか? 保育士から保育園事務に転職しました。 職場の方々は年齢が近いこともあり楽しい雰囲気です。

インターネット業界に置き替えて考えてみたいと思います。

この相談者の方と同じような悩み、我々の業界でも、けっこう多くの人が経験しているのではないでしょうか。

「チームにはいい人ばかりなんですけど、仕事の内容がどうにも自分が望んでいるものと合わなくて…」そんなミスマッチの話、よく聞きます。

上司も同僚もやさしい。エンジニアやデザイナーもいい人ばかりで、プロジェクトチームの雰囲気も悪くない。でも、仕事そのものに手応えが感じられない。
ユーザーの課題を深堀りして、新しいプロダクト/サービスの立ち上げや機能改善のPDCAをゴリゴリ回すプロジェクトに参画したかったのに、実際には開発人員を確保するための社内調整会議や社内向け資料の作成に明け暮れる毎日…みたいな。

こういう状況って、難しい。

人間関係がいい職場を辞めるのは、誰でも、もったいなく感じますよね。次の職場でも同じように人に恵まれる保証はありませんし。転職先で、変な上司ガチャを引いてしまうかもしれないし。

「仕事は多少合わなくても、良い人が多いから今の職場を続けたほうがいいのでは?」と考えるのも、自然なことだと思います。

ただ、結論から言うと。

今の業務が本当に自分に合わないのであれば、転職は前向きに検討したほうがよいと思います。

不本意な業務を続けていると、キャリアの軌道がずれていく

もちろん、人間関係が良い職場には、大きな価値があります。

相談しやすい人がいる。雑談できる同僚がいる。ミスをしても必要以上に責められない。こういう環境は、決して当たり前ではありません。

ただ、それでも私は、人間関係の良さだけを理由に、自分に合わない業務を長く続けるのは少し危ういと感じます。

なぜなら、キャリアというのは、日々の仕事の積み重ねの先にしかないものだから。

今日やっている仕事、今月任されている業務、今年経験している役割。それらが積み重なって、自分のキャリアの方向性が少しずつ決まっていきます。

自分では「一時的にこの仕事をしているだけ」と思っていても、外から見ると、「この人は〇〇の業務の経験を積んできた人」と見られるようになるんですね。

これが、けっこう怖いんです。

たとえば、本社内向けの運用調整ばかり任されている。関係部署への連絡、資料の体裁調整、問い合わせ対応。そればかり。

その仕事を何年も続けた先に、自分が本当に望んでいたキャリアに近づいているかというと、少し怪しいですよね。

職場の人間関係がよいと、その違和感をごまかせてしまうことがあります。

上司はいい人。チームの空気も悪くない。だから、「まあ、もう少し続けてもいいかな」と思える。

でも、数年後に転職しようとしたとき、職務経歴書に書ける経験が、自分の進みたい方向とずれてしまっている可能性があるんですわ。

「サービス企画をやりたいです」と言っても、実際に積んできた経験が運用とか調整ごとだけだと、採用側からは「この人には事務局運営のような付加価値の低い仕事しか任せられないのでは」と見られてしまうかもしれない。

本人の希望と、外から見えるキャリアがずれてしまうんです。

人間関係の良さも、ずっと続くとは限らない

もうひとつ考えておきたいのは、人間関係の状況は意外と変わりやすい、ということです。

会社や組織は変化するものです。

私の個人的な経験から考えると。

その時に私が担当していたプロジェクトが、それまでは問題なく進行していたのですが、ひとりのエンジニアがややコミュニケーションに難のある別のエンジニアと入れ替わったとたん…チーム内の関係がギクシャクし始めて。
私の持病である過敏性腸症候群の症状が悪化したことがあります(苦笑)

昨日まで和やかだったチームが、全社方針の大転換や人員削減をきっかけに、急にピリピリし始めるた…という話もよく聞きますし。

「人間関係が良い」という状況は、たまたまの偶然というか、実はけっこう不安定な前提のうえに成り立っている。

もし、将来的に人間関係が悪くなったとします。そのとき、仕事内容まで自分に合っていなかったら…?その時点で自分に合わない業務を何年も続けていたら、転職の選択肢も狭まっているかもしれません。

その事態になってから後悔するのはもったいないですよね…。

大切にすべきなのは将来の自分

人間関係のよい職場は心地良いです。心理的安全性の観点でも、間違いない。

でも、あなたのキャリアを形作るのは、職場の人間関係ではなく、あなたの日々の仕事です。

業務が合わないという感覚がはっきりしているなら、その違和感は、軽視しないほうがいい。

「周りの人たちは、いい人ばかりなんだけど、なんかなあ…」と不安を抱きながら続ける仕事が、あなたの数年後のキャリアをどこへ運んでいくのか。

そこを一度、静かに考えてみてもよいのではないかと思います。