採用面接で落ち続けるときは、「話し方」よりも「受け答えの精度」を見直したほうがよいかも

Yahoo!しごとカタログに、こんなお悩みが投稿されていました。

転職活動中の27歳で男です。 15社くらい面接受けて全滅です。 大手企業の書類選考で稀に通過するのですが面接で落とされます。

これは、かなりしんどいですよね…。

書類で落ちるなら、まだ「職務経歴書の書き方が悪いのかな」「そもそもスキルが足りないのかな」などと考えられます。もちろん、それはそれでつらいけど、原因をある程度想像しやすい。

でも、書類は通って、面接に呼ばれた。なのに、会って話すと落とされる。

このパターンが続くと、だんだん自分自身を否定されたような気持ちになってくると思います。

「自分は人として魅力がないのではないか」
「話し方が下手なのではないか」
「大手企業に入れるような人材ではないのではないか」

そんなふうに考えてしまうこともあるかもしれません。

ただ、私はまず、そこまで自分を責めなくてもよいと思います。

書類選考を通過しているということは、少なくとも経歴や経験のどこかに、企業側が「会ってみたい」と思う材料があるということです。

問題は、おそらく、面接の場で、その材料がうまく伝わっていないことにあります。

ここでは、私がいま勤務している大手インターネットサービス企業での採用面接を念頭に置き、採用面接で必要なことを考えてみたいと思います。

面接官は「答えの中身」だけでなく、「会話の精度」を見ている

面接でよくある失敗のひとつは、面接官からの質問に対して、答えているようで答えていないことです。

たとえば面接官が、「これまで担当したプロジェクトで、もっとも苦労した調整ごとは何ですか?」と聞いたとします。

この質問に対して、応募者が「私はコミュニケーションを大切にしてきました。関係者とこまめに会話しながら、プロジェクトを前に進めることを意識していました」と答えたとする。

一見、悪くなさそうに聞こえます。

でも、面接官の立場からすると、少し物足りないんです。

なぜなら、聞きたかったのは「コミュニケーションを大切にしている姿勢」ではなく、「実際にあなたがどのような困難に直面し、どう動いたのか」だからです。

このようなズレは、面接ではけっこう起こります。

本人は一生懸命話している。けれど、質問の意図を外してしまう。そうなると、面接官は「この人と一緒に仕事をしたとき、こちらの意図を正しくくみ取ってくれるだろうか」と不安になります。

特に、サービス企画職やプロジェクトマネージャーの場合、ここはかなり見られます。

なぜなら、この職種は、多くのステークホルダーを巻き込みながら仕事を進める役割だからです。

エンジニア、デザイナー、法務、などなど。いろいろな立場の人が、それぞれの利害関係にある。

その中で、相手が何を心配しているのか、なぜその質問をしているのかの意図を理解しながら、話を前に進める必要があるんです。

面接官の質問にきちんと答えられるかどうかは、単なる面接テクニックではありません。

仕事でのコミュニケーション能力そのものを見られている、と考えたほうがよいと思います。

質問されたら、すぐに話し始める前に、一呼吸置く。聞かれているのは経験なのか、判断基準なのか、成果なのか。そこを少しかみ砕いて考えてから答える。

もし質問の意図が分からなければ、「確認なのですが、プロジェクト全体の進め方についてお話しすればよいでしょうか。それとも、関係者との調整の部分に絞ったほうがよいでしょうか」と聞いてもいい。

むしろ、そういう確認ができる人は、仕事でも丁寧に進めてくれそうだな…と感じません?

「話し上手」よりも「聞き上手」が評価される

とくに若手の人は、「面接は話がうまい人が有利だよね」と考えている人が多い印象です。

これは、半分は当たっていますが、もう半分は違うと思っていて。

面接官も人間なので、「口だけがうまい人」は、わりと警戒するんですよ。

この人は、調子はよいけど、面倒な仕事は他のメンバーに押しつけているんじゃないか?泥臭い調整ごととか、うまいこと言って逃げるんじゃないか?

そんなふうに感じることがあるんですよね。

だから、面接では、「口が上手い」ことがトクとは限らない。

コミュニケーション能力というと、どうしても「話す力」を想像しがちです。

でも、実際の仕事で本当に大事なのは、相手の話をきちんと「聞く力」なんです。

相手が何に困っているのか。何を確認したいのか。どこに引っかかっているのか。表面的な言葉だけでなく、その奥にある気持ちを読み取る能力。

面接でも同じです。

面接官が話しているときに、うなずきながら聞く。相手の説明に対して、的確な質問を返す。会社の事業やサービスについて、事前に調べてきたことをもとに、自分なりの疑問をぶつける。

こういう振る舞いは、「私は御社に深い関心があります」というメッセージにもなります。

単に「御社に興味があります!」と言うよりも、具体的な質問をしたほうが、ずっと伝わるんです。

たとえば、「御社のこのサービスは、最近この領域に注力しているように見えたのですが、どのあたりの指標を追うことが多いのでしょうか?」と聞ける人と、「成長できる環境はありますか?」とだけ聞く人では、印象がかなり違います。

前者は、自分で調べ、考えたうえで質問している感じがしますよね。

面接は、自分を売り込む場であると同時に、相手の話を聞きに行く場でもあります。そこを忘れないほうがよいと思います。

企画職やPMには「数字で語る」ことが求められる

もうひとつ、かなり大事なのが数字です。

私自身のことを少し棚に上げてのアドバイスになってしまうのですが(苦笑)、企業側は「物事を数字で語れること」をかなり重視します。

特にサービス企画職やプロジェクトマネージャーには強く求められます。

企業の収益に直結する施策を企画し、実行まで推し進める役割を担っているから。

「ユーザー体験を改善しました」
「使いやすい画面にしました」
「関係者と連携して施策を進めました」

こういう説明だけだと、少し弱い。

もちろん、ユーザー体験も、使いやすさも、関係者との連携も、どれも必要です。

ただ、面接官が知りたいのは、「その結果としてどの数字がどれだけ動いたのか?」

たとえば、UI改善の経験を話すのであれば、「この画面を改善しました」だけではなく、「この画面経由のコンバージョン率が何%改善しました」と言えると強いですよね。

プロジェクト進行の改善なら、「会議体を整理しました」ではなく、「週次定例を減らし、意思決定までのリードタイムを何日短縮しました」と言えると、ぐっと説得力が出ます。

数字は、自慢のために使うものではありません。

自分がやってきた仕事の意味と成果を、相手が理解しやすい形に翻訳するために使うものなんです。

面接官は、あなたの前職での仕事ぶりを見ることはできません。だからこそ、数字があると伝わりやすくなる。

この差は、面接ではかなり大きいと思います。

面接は、自分をよく見せる場ではなく、仕事ぶりを伝える場

面接にのぞむときは、どうしても「自分をよく見せなければ」と思ってしまいます。

その気持ちは分かります。

でも、採用面接で見られているのは、派手な自己PRではありません。

この人は、相手の質問を正しく理解できるのか。
必要以上に話しすぎず、相手と会話のキャッチボールができるのか。
自分の経験を、数字や事実に基づいて説明できるのか。

おそらく、そういうところが見られます。

15社落ちたことは、たしかにつらいです。

でも、書類が通っているなら、まだ十分に可能性はあります。

次の面接では、話し上手を目指すよりも、相手の意図をくみ取り、具体的な事実と数字で答えることを意識してみる。

それだけでも、結果は少し変わってくるのではないかと思います。

グッドラック!